「高気密・高断熱」という言葉は、住宅会社のカタログやウェブサイトでよく見かける表現です。なんとなく「性能が良い家」というイメージを持っている方は多いかもしれませんが、具体的にどのような仕組みで快適な住環境を実現しているのか、詳しく知らないという方も少なくないのではないでしょうか。
このページでは、高気密・高断熱住宅の基本的な考え方と、性能を判断するうえで欠かせない「UA値」「C値」という指標について解説します。
高気密・高断熱住宅とは、住宅の断熱性能と気密性能を高めることで、外気の影響を受けにくくした住まいのことです。冷暖房によって整えた室内の温度を外に逃しにくく、また外の暑さや寒さを室内に伝えにくいという特徴があります。
この「断熱」と「気密」は、それぞれ異なる役割を持つ性能です。役割の違いを理解しておくことが、住宅会社選びの第一歩になります。
断熱性能とは、壁・天井・床・窓などを通じて熱が伝わりにくくする性質のことです。断熱性能の指標として使われるのがUA値(外皮平均熱貫流率)で、単位はW/㎡Kで表されます。
UA値は、建物の外皮(壁・屋根・床・窓など)全体から、どれだけ熱が逃げやすいかを示す数値です。数値が小さいほど、熱が伝わりにくく断熱性能が高いとされています。埼玉県(6地域)の省エネ基準ではUA値0.87W/㎡K以下が求められており、ZEH基準ではおおむね0.6W/㎡K以下が目安とされています。
UA値は、使用する断熱材の種類や厚み、窓の性能(サッシ・ガラスの種類)などによって変わります。住宅会社によって標準仕様が異なるため、見積もりや打ち合わせの際にUA値を確認しておくとよいでしょう。
気密性能とは、建物の隙間をできる限り少なくし、室内の空気が外に漏れにくい状態を指します。気密性能の指標として使われるのがC値(相当隙間面積)で、単位はcm²/㎡で表されます。
C値は、建物の延床面積1㎡あたりにどれだけの隙間があるかを示す数値です。数値が小さいほど隙間が少なく、気密性能が高いとされています。高気密・高断熱に力を入れている住宅会社では、C値1.0以下、なかにはC値0.5以下を目標としているケースもあります。
C値はUA値と異なり、設計段階の計算だけでは正確な数値が分かりません。実際に建てた住宅で「気密測定」という検査を行うことで、初めて実測値が判明します。気密測定については、別記事で詳しく解説しています。
断熱性能(UA値)と気密性能(C値)は、それぞれ単独で語られることもありますが、本来はセットで考えるべき性能です。断熱材をどれだけ厚くしても、建物に隙間が多ければ、そこから熱が出入りしてしまい、断熱性能を十分に発揮できません。
逆に、気密性だけを高めても、断熱性が低ければ外気の影響を受けやすく、室温は安定しません。高気密・高断熱とは、この2つの性能を両立させることで成立する住宅性能だと考えられています。
埼玉県は内陸性気候の影響を受けやすく、熊谷市をはじめ夏の気温が高くなるエリアが多い地域です。高気密・高断熱は冬の寒さ対策としてのイメージが強いかもしれませんが、夏の暑さ対策としても有効とされています。断熱性・気密性が高ければ、冷房で下げた室温を外気の熱から守りやすくなり、冷房効率の向上にもつながる可能性があります。
一方で、夏は気密性を高めることで、室内の熱や湿気がこもりやすくなる場合もあるため、断熱・気密性能だけでなく、適切な換気計画が組み合わされているかどうかも重要なポイントです。換気システムについては、別記事で詳しく解説しています。
高気密・高断熱住宅とは、断熱性能(UA値)と気密性能(C値)を高めることで、外気の影響を受けにくくした住まいです。UA値・C値はいずれも数値が小さいほど高性能とされており、住宅会社を比較する際の基本的な指標になります。
ただし、高気密・高断熱には知っておくべき注意点もあります。次の記事では、メリットだけでなく注意しておきたいポイントについて解説します。
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画像引用元:岡田工務店公式サイト(https://g-labo-house.com/works/2023/04/new-31.html)
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